先日にGoogleはGoogle Pixel 9 ProとGoogle Pixel 9 Pro Foldの新たなティザー動画を公開。少なくとも「日本語」に対応したティザー動画をGoogleが用意していることからもPixel 9 ProとPixel 9 Pro Foldは国内で発売される可能性が高いと思います。
一方でやはり多くのユーザーが気になるのはスペックだと思います。今回はGoogle Pixel 9シリーズであまり過度に期待しない方がいいと思うポイントについて主観的にまとめたいと思います。
ベンチマークスコアの改善。
まず一つ目としてベンチマークスコアの改善です。近年ハイエンド向けSoCのベンチマークは正直なところインフレしすぎていて参考にならなくなってきています。少なくともベンチマークスコアのインフレに対してユーザーの使い方が大きく変わっているわけではないからです。
もちろん機種にもよりますが多くのユーザーは日常使う上で「70万点」前後のスコアが十分の可能性があり200万点のスコアが出るとしても差を実感しにくいと思います。
とはいえ「ベンチマーク」という分かりやすい指標があるからこそ近年のGoogle TensorはDimensityやSnapdragonなどと比較してスコアが低いので批判されがちです。
アーキテクチャ | Tensor G3 | Tensor G4 |
メインコア | Cortex-X3(2.91GHz)x1 | Cortex-X4(3.1GHz)x1 |
ミドルコア | Cortex-A715(2.36GHz)x4 | Cortex-A720(2.6GHz)x3 |
高効率コア | Cortex-A515(1.70GHz)x4 | Cortex-A520(1.95GHz)x4 |
現時点で判明しているリークをみる限りGoogle Tensor G4はメインコア含めてアーキテクチャは刷新されています。さらに同じ4nmプロセスルールとはいえ最新世代のものを採用した上で新しいパッケージング技術も採用。
SoCの箱の部分だけでもパフォーマンスや電力効率の改善に期待できる中でアーキテクチャの刷新とSoC自体はしっかり底上げされると思います。
アーキテクチャ | Exynos2400 | Tensor G4 |
メインコア | Cortex-X4(3.2GHz)x1 | Cortex-X4(3.1GHz)x1 |
ミドルコア | Cortex-A720(2.90GHz)x2 | Cortex-A720(2.6GHz)x3 |
Cortex-A720(2.60GHz)x3 | – | |
高効率コア | Cortex-A520(2.0GHz)x4 | Cortex-A520(1.95GHz)x4 |
GPU | Xclipse 940 | Immortalis-G715 |
CPU部分で見るとExynos2400の方がミドルコアが多いことに加え全体的にクロック数が高い。GPUにどこまで差があるのか不明ですがプロセスノードやパッケージング技術が同じとされていることからもベンチマークスコアはExynos2400の方が高い可能性があります。
ちなみにExynos2400を搭載したGalaxy S24シリーズのスコアは170万点前後なのでPixel 9シリーズはもっと低い可能性があり、少なくともSnapdragon 8 Gen 3などのように200万点いくようなSoCではない可能性が高いです。
ちなみに先日リークしたPixel 9シリーズのベンチマークを見るとPixel 9 Pro XLで117万点となっていることを確認出来ます。
ベンチマークを計測した個体はプロトタイプだと思うのでスコアを鵜呑みにすることは出来ませんがスコアだけで見ればベンチマークを意識したチューニングをしていないことが明白で現行モデルからスコアが変わっていないことを考えるとだいぶ余裕を持たせたチューニングを採用している可能性。
つまり発熱抑制や電力効率の改善を意識していると思われます。あとは実際の製品版でどのようなスコアが出るか次第になります。
AIを明らかに強化。
またGoogleが先日ポストした内容を確認すると以下のようになります。
Google Pixel 9 Pro 、まもなく。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この投稿に🤍すると、
進化した Google の AI スマホの情報を
発表日にお届けします!📲#GooglePixel今すぐいいね↘︎👆💕 pic.twitter.com/sSSv68vsEw
— Google Japan (@googlejapan) July 18, 2024
明らかにGeminiをアピールしていることを確認することができ事前情報を考慮すれば大きな特徴として「Gemini Live」に対応している可能性。少なくとも第2世代のGemini Nanoを統合している可能性が高いです。
事前情報からもGoogleはGoogle Assistantに代わるパーソナライズされたAIアシスタントをPixel 9シリーズで搭載すると予測されており「Gemini」を全面に押し出していることを考えるとGemini Liveが一つの特徴になるのは分かりやすいです。
RAM | |
Pixel 9 | 8GB? |
Pixel 9 Pro | 16GB? |
Pixel 9 Pro XL | 16GB |
Pixel 9 Pro Fold | 16GB |
少なくとも上位モデルに関してはRAM16GBに対応と言われており、ゲーム性能に拘っていないGoogleがここまでRAMを強化する理由は明白でAIのオフライン処理を強化するためだと思われます。
もちろんスマホとしてカメラやパフォーマンスなど全体的に底上げされていると思いますが、あくまでもAIが主軸の進化でPixelのパフォーマンスは「AnTuTu」など計測しきれないという感じになると思います。
またiPhoneを見ていると分かりやすいですがベンチマークスコアが高い=AIに対応できるわけでもない。何よりGoogleはGoogle Tensorに移行した理由がAIを強化するためであってPixel 9シリーズでも踏襲されている可能性が高い。
AIのためにパフォーマンスが底上げされた結果ベンチマークスコアやパフォーマンスが改善することはあっても、そこを主軸に改善してくることはないと思います。