直近の情報からもGoogleは8月13日にPixel 9シリーズを正式発表する可能性が高いですが、オタクの自分からすれば「Google Tensor G4」の完成度が気になるところ。
少なくとも「Zuma Pro」というコードネームからもGoogle Tensor G3のマイナーアップデート版である可能性が高い一方で、アーキテクチャの刷新に加えSamsungの第2世代の4nmプロセスルールを採用するなどExynos2400をベースに開発されている可能性があります。
今回はPixel 10シリーズが搭載するGoogle Tensor G4に過度の期待をするべきではない理由について主観的にまとめたいと思います。
パフォーマンスが上昇することに違いはない。
先日の情報からもGoogleはGoogle Tensor G5の開発を進めていることが判明しており、TSMCにおけるテストも合格していることが判明しています。このことからも実質GoogleはTSMCにGoogle Tensor G5の製造を依頼できる状態になったともいえ今後より具体的な話を詰めていく段階に移行すると思います。
スマホの「安定性」の部分でやはり重要になってくるのはやはりSoCで技術的な部分でみればSamsungよりTSMCの方が高いと思われます。
プロセスノード | パッケージング | サプライヤー | |
Tensor G2 | 5nm(Samsung) | FOPLP | Samsung |
Tensor G3 | 4nm(Samsung) | FOPLP | |
Tensor G4 | 4nm(Samsung) | FOWLP | |
Tensor G5 | 3nm(TSMC) | InFO-POP | TSMC |
Samsung製からTSMC製に切り替わるだけでも安定性は改善する可能性があります。
さらに3nmプロセスルールを採用した上でTSMC独自のパッケーシング技術も採用されるとしています。現時点でアーキテクチャ自体は不明ですがSoCの箱の部分と製造方法に関してはTSMCの最新の技術が採用されるのでパフォーマンスが底上げされる可能性が高いです。
ベンチマークを向上させるためではない。
少なくともGoogle Tensor G4からGoogle Tensor G5に切り替わることでパフォーマンスも上昇するため結果的にベンチマークスコアも上昇すると思います。ただ近年のGoogleの動向を見ているとベンチマークスコアはどうでもいいという感じです。
YouTubeのコメント欄を見ているとGoogle Tensor G5に期待しているユーザーの多くは「ベンチマークスコアの改善」や「ゲーム性能の改善」に期待している印象ですがGoogleはTSMCに切り替える主な目的は「AIの強化」だと思います。
すでにAI性能がAnTuTuやGeekBenchで計測出来ないことは明らかになっており、GoogleとしてもAIを強化するためであればベンチマークでハイスコアを獲得するようなチューニングをしてくると思えないです。
なのでベンチマークスコアの大幅な改善やゲーム性能の大幅な改善に期待しない方がいいです。事前情報通りであればGoogle Tensor G5はRAM16GBが統合されていることが判明しており、明らかにAIのオフライン処理を意識していると思われます。
4世代目と初代。
またGoogleはPixel 6シリーズから独自SoCに切り替えたことで不具合やバグは多発した上で非常に不安定になりました。他社と比較すれば見劣りすることに違いはありませんが世代を重ねるごとに安定性は徐々に改善しています。
少なくとも今まで半導体を開発してきたノウハウがあるため完全にリセットというわけではありませんがGoogle Tensor G5はTSMC製で見れば「初代」です。そのためパフォーマンスが上昇したとも安定性が絶対改善できるとは言い切れない状態です。
Googleとしても意地もでチューニングをしてくると思いますが安定性の部分がどうなるのかは不透明でSamsung製と比較して劇的な改善がない可能性もあり、今後Google Tensor G7などTSMC製を重ねていくことで安定していく可能性があります。
何よりGoogleが今強化しているのは「AI」であってベンチマークを強化することやゲーム性能を改善させることが目的ではないと思います。なのでベンチマークやゲーム性能に期待している人は過度の期待をしない方がいいです。
AI性能を強化するためにパフォーマンスを底上げした結果ベンチマークなども改善する可能性がありますが主軸ではない可能性が高いです。