直近の情報からも今年の8月に正式発表されるGoogle Pixel 9シリーズは最後のSamsung製となるGoogle Tensor G4を搭載していると予測されており、2025年に正式発表されるPixel 10シリーズではTSMC製のGoogle Tensor G5を搭載するとされています。
実際にSamsung製からTSMC製に切り替わることでどのような恩恵を受けるのか不明ですがPixelにとって大きな転換期になる可能性が高いです。今回韓国のメディアサイトによるとPixel 10シリーズが搭載するGoogle Tensor G5の開発状況に言及しているのでまとめたいと思います。
開発進捗は順調。
先日の情報からもGoogle Tensor G5はTSMCのプロセスノードを採用した上でTSMC独自のパッケージング技術が採用されることが判明しています。また今年の5月頃からは半導体の各種テストを行う台湾の企業に対してGoogleはGoogle Tensor G5のサンプルを渡したとも言われています。
そして今回台湾のサプライチェーンからの情報としてTSMCはGoogle Tensor G5のサンプル検証プロセスを通過させたとしています。またGoogleの提示していた要件よりも良い状態で通過したとしています。
あくまでも今回の情報だけでみるとGoogleとTSMCの想定以上にGoogle Tensor G5の出来栄えは優秀なのかもしれません。また今回の通過を受けてGoogleとTSMCはより具体的な協議を重ねるとしています。
つまりGoogle Tensor G5の生産をTSMCが正式に引き受けることがほぼ確定したと捉えることが出来るとしています。何より現状だと順調に進んでいる可能性が高いと思います。
現時点ではTSMCの3nmプロセスルールを採用することくらいしか分かっておらずアーキテクチャがどうなるのか不明です。ただGoogleがコストをかけてまでTSMCに切り替えることを考えるとSoC自体のパフォーマンスを底上げした上でAIをより強化したい狙いがあるのかもしれません。
Tensor G4はある意味安定。
あくまでもサプライヤーでみるとTSMCとSamsungではSamsungの方がハズレという印象ですが、Google Tensor G4はSamsung製のGoogle Tensorの中では最も安定したSoCになる可能性があります。
何よりコードネームからもGoogle Tensor G4は「Zuma Pro」なのでGoogle Tensor G3のマイナーアップデート版です。これは初代Google Tensorの時とも似ておりGoogle Tensor G2はプロセスノードにアーキテクチャなどほとんど一緒ですがGPUはしっか強化した上でCPUはクロック数を僅かにあげた程度でした。
ただそれでもPixel 7シリーズは前モデル対比で発熱は抑制されたうえで電池持ちの改善という恩恵がありましたがPixel 9シリーズに関してもGoogle Tensor G4がマイナーアップデートに収まることで安定性の部分がしっかり強化される可能性があります。
少なくともGoogleとしてはAIの強化が最大の目的でAIをより快適に使うためにも安定性の改善は重要です。だからこそCPU関連はアーキテクチャの割にはかなり余裕を持たせているためベンチマークも低いという感じです。
何よりTSMCに切り替わることでどうなるのか不明ですがGoogle Tensor G5はTSMC製でみれば「初代」に対して、Google Tensor G4はSamsungでみれば「4世代目」です。
GoogleにとってもTSMC製に切り替えることでチューニングなど一から見直す必要があるかもしれないので、下手したらGoogle Tensor G4の方がパフォーマンスは低いけど安定しているということはあるのかもしれません。