海外の調査会社によるとPixelのブランドロイヤリティがGalaxyやiPhoneと比較して大きく劣っていることを確認でき、少なくともアンケートに協力したPixelユーザーの半数は次に他社の機種を選ぶことが判明しています。
少なくとも現状でみるとGoogleはユーザーの囲い込みに失敗している可能性が高いです。今回はGoogleが今の戦略を継続すると中華スマホと同じようにジリ貧になる可能性があるので主観的にまとめたいと思います。
「コスパ」で注目を集めている間は悪い流れ。
Googleは近年「コスパが良い」と話題を集めていますが歴代Pixelの国内における価格を確認すると以下のようになります。
価格(直販版/ベースモデル) | |
Pixel 4 | 8万9890円 |
Pixel 5 | 7万4800円 |
Pixel 6 | 7万4800円 |
Pixel 7 | 8万2500円 |
Pixel 8 | 11万2900円 |
Pixel 4で値下げされた上でPixel 5とPixel 6に関しては価格が据え置きになっています。一方でPixel 8は為替の影響を吸収しきれなくなったのかPixel 8で一気に値上げされたという感じになっています。
少なくともGoogleとしては価格を意識しているとは思いますが「コスパ機種」として売り出しているのではなく、他社が様々な要因から値上げしている中でGoogleは出来るだけ価格の据え置きに尽力したという感じです。
その結果他社と比較して安くなったので「コスパが良い」と話題を集めるようになりました。少なくとも過去の価格などをチェックしていない人からすればコスパ機種と思われがちですが、Googleの価格戦略が一貫していただけのように感じます。
ただ「コスパ」で評価されている時点で幸先は良くないです。
Pixelは安くてヌルヌル使えることが利点だったから値段が上がったら魅力感じない
自分の動画のコメント欄を見ていると「安い」こと以外に価値がないと評価していることが多いです。逆に言えばGoogleがやりたいことやアピールしたいことがユーザーに伝わっていない可能性が高いことになります。
中華スマホと同じ結末に。
このまま「コスパ」で注目を集めている間は逆にユーザーが定着する可能性は低いです。海外では分からないですが国内でみるとコスパ=安いという意味で使っている人が圧倒的に多いという印象で、安い機種であればメーカーなど関係なく次に買い換える時も安い機種に買い換えるという流れになると思います。
Googleの当面の課題としては「ブランドロイヤリティ」の改善でリピーターを増やすことです。そのため「価格」以外に興味をもってもらう必要があるので単純な対処方法としては値上げすることです。
そのためには一度シェア拡大の優先度を下げた方がいいようにも感じます。少なくともシェア拡大するだけであれば安く売っておけばいいだけなのでジリ貧になります。
ただそうなると中華メーカーのように薄利多売方式で大量に売る必要があり、逆にコスパのイメージが強いからこそフラッグシップモデルはなかなか売れない状況とジレンマになっています。
Googleは中華メーカーのような販売力もないことから規模の経済もそこまで上手くいかせないので安くもできない。つまりメーカーが利益を削る必要があるので事業としての収益性は悪化するのかもしれません。
GoogleとしてはおそらくPixelを売ることが最優先ではなくAndroidのシェアを拡大してGoogleのサービスを使って貰うことで収益性を改善させたい。だからPixelの収益性は悪くてもそこまで問題ないという判断なのかもしれません。
とはいえ現状だとPixelにあまり明るい未来があるように見えないのでPixel 9シリーズでは大きく方針転換をするために小型のProモデルを追加して全体的にラインナップの値上げを行うのかもしれません。
何よりPixelから「コスパ」という評価が消えてからが本当の始まりなのかもしれません。