直近の情報からもGoogleは2025年に正式発表が予測されているGoogle Pixel 10シリーズで大きな転換期を迎える可能性があります。その理由の一つとしてはラインナップの強化でAppleでいう「iPhone 15 Plus」のような無印の大型モデルが追加される可能性があること。
そして2つ目としてはGoogle Tensor G5でSamsung製からTSMC製に切り替えることです。今回韓国のメディアサイトによるとSnapdragon 8 Gen 4のコストが急騰した可能性があると報告しているので簡単にまとめたいと思います。
原価コストが急騰。
少なくとも現時点でSnapdragon 8 Gen 3はモバイル向けのSoCの中では最もコストが高いと言われていますが、今回の情報によるとSnapdragon 8 Gen 4の原価コストはSnapdragon 8 Gen 3対比で25%急騰した可能性があるとしています。
その理由としてざっくりとまとめると以下のようになります。
コストが急騰した理由 |
主要顧客であるNvidia/AMD/Intel/Qualcomm/MediaTekなどTSMCの3nmプロセスノードを順次採用すること |
原材料の高騰 |
Samsungの3nm GAA収量が芳しくない |
3nmプロセスノードにおいては一時期Samsungの方が歩留率が優秀とも言われていますが、今回の情報通りであればSamsungがゴタゴタしていることからも主要メーカーはTSMCに製造を依頼。
その結果TSMCに需要が集中しすぎた状態の上原材料自体が高騰した結果Snapdragon 8 Gen 4で見れば前モデル対比で25%のコスト上昇に加え単価は$250を超える可能性があると予測されています。
流石にSnapdragon 8 Gen 4の単価を超えるSoCはないと思いますが他社のSoCであっても当初の予定より原価コストが上昇してもおかしくない状況にあります。
ある意味最後の安いPixelに
少なくともGoogle Tensor G5はTSMCの3nmプロセスノードを採用した上でサプライヤーがTSMCになることはほぼ確実視されています。つまりGoogle Tensor G5も当初の予定より原価コストが上昇する可能性がありPixel 10シリーズの価格にも影響する可能性があります。
Googleの関係者によるとGoogle Tensorの開発に毎年莫大な投資をしていることが判明。またサプライヤーであるSamsung製のコンポーネントを積極的に採用することでトータルでコストカットしていた可能性があります。
ただPixel 10シリーズになるとSamsung製からTSMC製に切り替わるだけでもSoCのコストが高くなる可能性が高い。さらに従来のようにSamsung製のコンポーネントを採用してもトータル的なコストカットはしにくくなる可能性もあります。
となるとPixel 9シリーズはある意味最後の「価格が安いPixel」になるのかもしれません。そもそもTSMC製に切り替わるとの予測が出た時点で値上げは危惧されていましたが今回の情報をみる限り値上げはほぼ避けられない可能性があります。
またSamsungと比較してTSMCの方が半導体への技術力は高く品質も安定している印象ですが、Googleは今まで4年にわたってSamsung製のチューニングを積み重ねてきた。
その中でGoogle Tensor G5はTSMC製で見れば初代となるため、SoC自体の品質は高くても5Gモデムなど含めたチューニングに関しては最初になるため不安な要素もあります。
何よりGoogle Tensor G5はPixelにとって大きな転換期になりそうです。