昨年と比較するとXperia 1Ⅵはキャリアモデルよりも直販版の方が売れている印象を受け、先日の情報からも「スカーレット」は販路によっては2ヶ月半待ちと品薄の状態となっています。
とはいえ直販版がどんなに売れたとしても「キャリアモデル」の方が台数を捌ける可能性が高いです。今回BCN+RがXperia 1Ⅵの発売初週の売上データを公開したので簡単にまとめたいと思います。
出だしは苦戦気味?
今回同サイトが6月3日~6月9日の週における売上ランキングを公開していることが判明しました。その上でジョウキィの画像からも6月7日に発売さたXperia 1Ⅵは初登場で47位と厳し目のスタートとなっています。
ちなみにXperia 1Ⅴのドコモ版は初登場で「26位」でau版に関しては「33位」であったことを考えるとXperia 1Ⅵのドコモ版はギリギリ50位圏内に入ったとはいえau版は圏外と厳し目の状況です。
ただ注意点としてBCNのランキングは全国の量販店のPOSデータを元に算出していると言われているのでキャリアのオンラインショップにおける売上などは含まれていないとされています。
また一部キャリアはBCNランキングで見栄えをよくするためにデータを集計される店舗に集中的に在庫を回していたとの話もあります。何よりオンラインショップで購入するユーザーが増えているご時世で前モデルとそのまま単純に比較するのか厳しいです。
直販版に力を入れる状況に追い込まれている?
一方で気になる部分としてSonyの国内市場における販路がどんどん限定されてきていることです。
販路 | docomo | au | SoftBank | |
Xperia 5Ⅴ | 実店舗 | ⚪️ | × | × |
オンラインショップ | ⚪️ | ⚪️ | × | |
Xperia 1Ⅵ | 実店舗 | ⚪️ | ⚪️(ブラックのみ) | ⚪️ |
オンラインショップ | ⚪️ | ⚪️ | ⚪️ |
以前大手キャリアは販路関係なく扱う感じでしたが近年は縮小気味でSoftBankが最も消極的な印象です。ただXperia 1Ⅵに関しては「Xperia Stream」の後継機種がなかったこともあるのかXperia 1Ⅴが売れたのかオンラインショップだけではなく実店舗でも扱っています。
一方でauに関しては実店舗におけるカラバリがブラックのみに限定されており、逆に言えばシルバーは売れないと判断しているからこそオンラインショップに限定されている可能性があります。
一方で直販版を見るとストレージオプションを用意した上でスカーレットにグリーンとオンラインショップ限定色を用意しています。このことを考えるとSonyは直販版に力を入れているように見えますが実際のところはそうしないといけないくらい追い込まれている可能性があります。
キャリアの販売力が落ちている可能性。
あくまでも国内市場において直販版のシェアは全体の8%程度と言われています。さらにその中で半数はiPhoneがシェアを占めていると言われているのでAndroidの直販版は僅か4%しかないシェアを奪い合っていることになります。
このことを考えるとメーカーは直販版に力を入れるよりもキャリアモデルの販売に注力した方が効率的です。それなのにXperia 1Ⅵでは直販版に力を入れていることを考えると以前のようにキャリアに販売力がないのかもしれません。
今や総務省の横槍のせいで金額が高い機種ほどお得に感じにくい流れになっています。また20万円前後の機種を購入するユーザーはそもそも一般層ではなくオタクよりでリテラシーが高いこともありオンラインショップや直販版を購入する流れになると思います。
となると実店舗の在庫は最低限となりユーザーが店舗で触れる機会が減る。そうするとどんどんターゲット層は絞られていき販売力も落ちていく可能性があります。
以前はキャリアとベタベタな印象だったSamsungも昨年ころから販路限定とはいえストレージオプションを用意してキャリアでの販売を強化してきましたがGalaxy S24シリーズに関してはキャリアモデルと予約開始日に発売日と同時な上に直販版の方が価格も安ければカラバリもストレージオプションも豊富とキャリアモデルより明らかに魅力的にしています。
一方でSonyに関してはキャリアモデルと直販版に2週間近くのタイムラグがあることを考えるとキャリアにまだ配慮しているように見えます。このことを考えるとメーカーとしてはキャリアに売ってほしいけど実際にはハイエンドモデルを以前のように積極的に取り扱ってくれないことに加え売れない。
なのでメーカーとしては直販版に力を入れないと厳しいという流れになっているのかもしれません。安いモデルであれば一般層の目に留まりやすいキャリアとの相性がいいですがハイエンドになるとなかなか厳しい状況に。
特に国内はiPhone一強という感じだらこそAndroidメーカーはハイエンドの売り方において転換期を迎えているのかもしれません。