Googleによると「PixelにAIをブレイクスルーする」ためにPixel 6シリーズからGoogle Tensorに切り替えたことを明らかにしています。少なくともGoogleがやりたいことをSnapdragonやDimensityなど既存のSoCで実現することは出来ないことにも合わせて言及しています。
少なくとも「独自SoC」と聞くとHuaweiのKirinチップやAppleのAチップが浮かぶ人が多く電力効率が優れパフォーマンスも高いというイメージでした。ただ現状でみるとGoogleはオールマイティのSoCを開発しているように見えません。
今回Googleは今後世代を重ねるごとにPixelの批判はどんどん増えるんだろうなと思うので主観的にまとめたいと思います。
批判は増えるだけだと思う。
先日にはPixel 9シリーズのプロトタイプを元に計測したベンチマークがリークしています。実際のところは端末がどのような状態で計測されたのかも不明で平均値でもないことからスコアを鵜呑みにすることは出来ません。
ただ上記の画像をみる限りPixel 9 Pro XLとPixel 9 ProのスコアはPixel 8 Proのスコアとほぼ一緒に見えます。
アーキテクチャ | Tensor G3 | Tensor G4 |
メインコア | Cortex-X3(2.91GHz)x1 | Cortex-X4(3.1GHz)x1 |
ミドルコア | Cortex-A715(2.36GHz)x4 | Cortex-A720(2.6GHz)x3 |
高効率コア | Cortex-A515(1.70GHz)x4 | Cortex-A520(1.95GHz)x4 |
ちなみにリーク通りであればアーキテクチャーは刷新されており、メインコアで見ればCortex-X4を採用しているのでExynos2400やSnapdragon 8 Gen 3と同じになります。
なのでライバルのSoCと比較するとスコアが圧倒的に低いことに違いはないです。少なくともGoogleはベンチマークでハイスコアを獲得するためのチューニングをしていないことを明らかにしています。
ただ多くのユーザーは「ベンチマークスコア」のみでSoCを判断していることが多く現時点でも「ミドルレンジモデル」扱いとなっています。個人的にはベンチマークをチェックする上で重要にしているのは内部温度とパフォーマンスの持続性でスコア自身の高さは重要ではないと思っています。
ただスコアが他社と比較した場合見劣りしていることに違いはないので今後世代を重ねるごとに批判は増えていく可能性があります。
Google Tensor G5でも大きい流れは変わらない可能性。
直近の情報からもPixel 10シリーズで搭載するGoogle Tensor G5ではTSMC製に切り替わることがほぼ確定しています。少なくともSamsung製と比較すればTSMC製の方がパフォーマンスのが向上した上で安定性も改善する可能性があります。
ただ逆にTSMC製に切り替わることでAppleのAチップやQualcommのSnapdragonにMediaTekのDimensityと共通の部分が増えるため今まで以上にベンチマークで比較される可能性があります。
現時点でGoogle Tensor G5の詳細なアーキテクチャーは不明ですがTSMCの3nmプロセスルールにAppleと同じパッケージング技術を採用するなどパフォーマンスの底上げには期待できます。
ただSamsung製の16GBのRAMが統合されていること。またGoogleは2025年にはAndroidにより大言語モデルを統合したいと期待していることからもTSMC製の切り替えることでSoCのパフォーマンスを底上げした上でAIをより強化するために見えます。
AIを快適に動作させるためにパフォーマンスを整えてもSoC自体が発熱しやすく電池持ちが不安定なら快適な動作性を実現することは厳しいからこそTSMC製に切り替えて底上げする感じでベンチマークでハイスコアを獲得するようなチューニングはしてこない可能性があります。
少なくとも端末の性能=ベンチマークスコアという流れが続く限りPixelは世代を重ねるごとに批判が増えていくのかなと思っちゃいます。