Xperia 1Ⅵでは最大170mmの光学シームレスズームに強化されたとはいえカメラセンサー自体で見れば進化はありません。イメージセンサー部門がvivoやXiaomiなどにLYT-900など最新のカメラセンサーを供給しているからこそXperiaも搭載してほしいと思ってしまう部分もあります。
今回はXperia 1Ⅵでなぜ大型カメラセンサーを搭載しなかったのか、その理由について主観的にまとめたいと思います。
IMX888の存在。
一部オタクが気にしているだけであって多くのユーザーは気にしていない可能性も高いと思いますが、やはりXperia 1Ⅵが正式発表された時によく聞いた声の一つとしては「大型センサーをなぜ搭載しないのか?」ということです。
今や中華メーカーを中心にIMX989も含めれば1インチの大型センサーを搭載している機種は数多く存在します。その中でXperia 1Ⅵが1インチの大型センサーを搭載しなかった理由の一つとして「IMX888」を搭載していることです。
「IMX888」は厳密に言えば違うのかもしれませんがハード的にはOppoやOnePlusなどが採用している「LYT-T808」と同じと言われており、Sonyの新技術である2層トランジスタ技術を採用したセンサーです。
またSonyの公式ホームページを見ると以下のようにアピールしています。
高速な重ね合わせ処理技術により、暗い場所であっても、フルサイズセンサー搭載カメラで撮影したかのような、ノイズが少なくダイナミックレンジの広い鮮明な撮影が可能。人肌や情景の色味、質感を美しく再現します。
あくまでも「LV (Light Value) 2以下の照度環境における静止画の耐ノイズ性能およびダイナミックレンジにおいて」との条件があるとはいえ、フルサイズセンサーのデジカメと同等の写真が撮れるのであれば、より大型のセンサーは必要ないよねという考えだと思います。
本体のデザイン性を優先。
また先日開催されたXperiaのスペシャルイベントにおいてSonyの企画担当者の方に伺ったところXperiaは「スマホ」であるからこそ、スタイリッシュかつ気軽に使えることを重要視していることを教えてくれました。
もちろん中華メーカーのようにカメラ部分を大型化すれば、より大型センサーを搭載することは不可能ではないとしています。ただそれはSonyがXperiaのデザイン設計をする上ではコンセプトに沿わない可能性があります。
カメラ部分を大型化するということになれば本体の厚みが増した上で重くなるのでユーザビリティが下がる可能性があります。だからこそ今の技術できる最大限の強化をXperia 1Ⅵで実現したということなのかもしれません。
Xperiaのデザインは評価が高いことが非常に多く、だからこそカメラスペックとのバランスはSonyの人にとっても悩みの種になっているのかもしれません。
単純にコストの問題もあると思う。
一部噂によるとXperia 1Ⅵでディスプレイスペックが大きく変更された理由の一つとして「コストカット」の問題があったと言われています。おそらくアスペクト比21:9に4Kを継続することも出来たと思いますが値上げはほぼ必須の状態だった可能性も。
実際のところは分からないですが結局ディスプレイをコストカットしても値上げは回避できた一方で安くなったとは言えない状況にあります。Sonyが出来るだけ多くのユーザーに届けたいと頑張っている中でカメラセンサーの大型化はコスト増加の容認になります。
やはり中華メーカーのように規模の経済の恩恵をそこまで受けられないことを考えると1つのセンサーを変更するだけでもコストがかかり、カメラ部分が変更されれば全体のデザイン設計も必要になるのでさらにコストが増す可能性があります。
また仮に1インチセンサーを搭載したとしても型落ち感がある「IMX989」を搭載していれば批判の対象だったかもしれません。個人的にはセンサーの刷新がなかったのは残念ですがSonyのデザインへの強い拘りがあるからこそ現時点で出来る最大限を実現した感じだと思います。
何よりXperia PRO-Iのようなぶっ飛んだ機種をまたみたいところです。