Xperia 1Ⅵの小話。なぜ画面内指紋センサーや顔認証に対応しなかったのか

賛否両論を巻き起こしているXperia 1Ⅵですが従来の「拘り」は薄れたようには見えるとはいえSonyらしい拘りは随所に反映されており、何より多くのユーザーが求める「使いやすさ」の部分ではしっかり底上げされた印象を受けます。

今回は先日参加してスペシャルイベントで個人的にかなり気になったXperia 1Ⅵのかなり細かい部分についてざっくりとまとめたいと思います。

耐久性とデザイン性のバランス。

Xperia 1Ⅵで見るとディスプレイもバックパネルもGorilla Glass Victus 2を採用しており、これは前モデルと比較すると進化はしていません。一方でGalaxy S24 Ultraではディスプレイに初となるGorilla Glass Armorを採用しており、耐久性の改善に加えディスプレイの反射率が最大75%近くカットされていることが大きな特徴になります。

一方で先日の海外サイトの記事からもGoogleはPixelのデザインを開発する際に9割のユーザーがケースをつけて使うことからもケース込みで本体のデザインを設計していることを明らかにしています。

逆に言えばケースで本体を保護してくれることからも本体の耐久性に拘る必要性がないと言い換えることもできます。一方でSamsungに関してはGorilla Glass Armorはスクリーンプロテクターなしで最大の恩恵を受けられるようになっており、Googleとはある意味真逆の方向に進んでいるようにも見えます。

この流れからも今後のXperiaではどちら側かに寄せることはあるのか?と質問したところ現時点でそのような考えはないとの話でした。具体的なことは教えてくれませんでしたがデザイン性はもちろん耐久性とのバランスをみつつブラッシュアップを重ねていくとの話。

他の市場と比較しても国内市場はアクセサリーを使うユーザーが多いと言われています。また中価格帯の機種よりは高価格帯の機種を使うユーザーほどアクセサリーを使う比率が圧倒的に高いことが判明していることからもXperia 1シリーズは市場のニーズで見ればGoogleよりの方がまだ正解なのかもしれません。

何よりGorilla Glass Armorを今後採用することはあっても「耐久性」の改善をアピールする可能性があり、何よりSonyとしては力を入れている「環境への配慮」の方が優先で、だからこそGorilla Glass Victus 2を継続採用した可能性もあります。

なぜ指紋認証を進化させなかったのか。

Xperia 1Ⅵの生体認証は電源ボタンに統合された指紋認証を継続採用しており特段進化はありません。他社でみればインカメラを利用した2D顔認証に加え画面内指紋センサーを搭載している機種が増えており、フラッグシップモデルであることを考えると寂しいです。

なぜ生体認証のレパートリーを増やさなかったのか?という質問に対しては検証はしているが今回は採用しなかったとの話でした。ここからは個人的な推測になりますが以前SonyがXperiaに顔認証を搭載しない理由の一つとしてより高度なセキュリティを求められるアプリの存在がほぼないこと。

少なくとも支払い時に生体認証として利用するには「クラス3」への対応は必須とも言われておりXperiaの指紋認証は満たしている。一方で多くのAndroidが搭載している2D顔認証は要件を満たしておらずあくまでも本体のロック解除のみにしか使えません。

2D顔認証でクラス3に対応しているのはそれこそPixel 8シリーズくらいで、3D顔認証になればiPhoneのFace IDなどもっと選択肢が増える感じになります。少なくともセキュリティの面で見た場合に「顔認証」に対応することにあまりメリットを感じていない可能性。

そして画面内指紋センサーに関してはコストを考えると「光学式」を採用する可能性があり結果現状よりも汎用性が悪化する可能性があります。またSonyが仮面内指紋センサーを採用しない理由の一つとして拘りのあるディスプレイへの影響があるかと思って質問したところ現時点ではお答えできないとの話。

少なくとも検証段階で影響が全くないわけでもないとは言い切れないという感じでした。実際に開発を進めているのかまでは確認できませんでしたが、様々な選択肢の中から最適解を選択肢しており、Xperia 1ⅥでXperia 1シリーズとして初めて搭載されたベイパーチャンバーもXperia 1Ⅴの時点で採用される可能性があったことも判明しています。

少なくとも生体認証を変更するとなればコストの問題に直結する部分で仮に搭載するのであれば超音波式画面内指紋センサーを搭載して、中途半端に光学式などは採用してほしくないように感じます。

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