事前情報通りXperia 1Ⅵは従来の「ニッチ」向け戦略ではなく「一般」向けに変更されており、海外サイトが指摘している通り販売台数が減少しているSonyにとっての救世主にならない可能性があります。
今回は評価が大きく分かれているXperia 1Ⅵの気になるポイントについて主観的にまとめたいと思います。
ディスプレイの評価。
SonyはXperia XZシリーズでも売上減少をとめることが出来ず、2019年からは「Sony」の強みを活かしたニッチ戦略に切り替えています。結局のところ一般向けでは売上を確保することが厳しいことからもニッチ向けにして差別化するしかなかったのかもしれません。
とはいえ2019年から始まった現行シリーズはXperiaでありながらも「Sony」の技術を全面に押し出す進化を遂げてきたことになります。だからこそXperia 1Ⅵでは一般向け寄りになったことで大きく評価が分かれる感じに。
まずディスプレイで見るとざっくり以下のようにまとめることができます。
ポイント | |
Xperia |
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Sony |
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スマホとしてみた場合にディスプレイ輝度の改善などユーザビリティが大幅に改善しているため、Xperiaにスマホらしさを求めている人からすれば進化しています。
一方でSonyの拘りとしてコンテンツを最大化するためにアスペクト比21:9に4Kに対応。またコンテンツの邪魔にならないようにパンチホールデザインなどを採用しない。
また一眼レフのディスプレイとして使えるように「外部モニターアプリ」を搭載しており、4Kで撮影した写真や動画をディスプレイとして使うことも出来ればXperia本体で撮影した写真や動画を4Kでそのまま表示できるのもメリットだった。
なので今まではSonyの「映像機器」としての側面が強くスマホとして見れば実用性が低かった。そのためSonyの映像機器としてみた場合にXperia 1Ⅵは退化しており、スマホとして見れば進化している感じです。
カメラUIの変更。
次に大きな変更点の一つとしてカメラアプリで従来のPhoto Pro/Video Pro/Cinema Proが一つのカメラアプリに統合されました。なのでざっくり言えば2018年頃に戻った感じです。
違い | |
Xperia | カメラアプリの統合によって他社と似たようなUIに変更された |
Sony | αユーザーにとって馴染みのないUIになった |
他社を見てもカメラアプリが3つあったのはXperiaくらいで多くのユーザーにとっては分かりにくかったと思います。なのでXperia 1Ⅵでカメラアプリが統合されたことでスマホのカメラとしてUIはかなり分かりやすくなったと思います。
一方で今までのXperiaのカメラアプリはαユーザーがセカンドカメラとして使いやすいように。またαシリーズの入門機の立ち位置になるように特にマニュアルが撮影しやすいUIが採用されていました。
ただ今回の変更でαユーザーにはおそらく馴染みのないUIに変更されており、良くも悪くも他社の「プロモード」と同じ感じに。なのでスマホとしてみればカメラUIは進化したと見ることが出来ますがSonyとしてみれば退化したと評価することも出来ます。
一方で気になる部分としてカメラのコンセプトでカメラUIは一般向けになったのにカメラ自体はニッチ向けのままです。おそらく多くのユーザーは高速オートフォーカスやバースト撮影にあまり興味がないです。
ましてカメラUIからもワンタップで切り替えられる24/48/85/170mmで使う頻度が高くなる可能性があり、85mm~170mmの光学シームレスズームを重宝するユーザーはあまりいないように感じます。
ハードもソフトも一気に切り替えるのは難しいと思いますがハードが取り残された感じにも見えます。何よりズーム性能をアピールしていますが1/3.5インチの望遠センサーでいくらソフトでカバーしているとはいえ光学7.1倍で満足のできる画質で撮れるのかも疑問です。
Xperia 1Ⅴの時は85mmでも限界に近かったことを考えると光学ズームを伸ばすのではなく焦点距離を維持して画質を底上げした方が良かったのでは?と思っちゃいます。
あとは買うか買わないか。
あとは実際にどの程度のユーザーが買うかで直販版の256GBモデルは19万円前後になるとされています。この価格帯になってくるとそもそもオタクしか買わない感じになってくるのでスマホとして進化させるべきだったのか。
それともSonyブランドとしてニッチ向けに進化させるべきだったのか正解は不明でそれこそ今後の売上次第だと思います。自分のチャンネルで見ていると同じ既存ユーザーでも日本メーカーの製品とか「Xperia」だから購入していたユーザーからは好意的なコメントが多い。
一方でSonyブランドの拘りが好きでXperiaを買っていたユーザーからは否定的な意見が多いです。何よりXperia 1Ⅵの売上がここ5年のSonyの努力が成功だったのか失敗だったのか証明してくれると思います。