1Ⅵですら開発に余裕がない。Xperia 5シリーズが終焉した理由

事前情報通りであればSonyはまもなくXperia 1ⅥとXperia 10Ⅵを正式発表する可能性が高いですが、一方で今年の下半期に関してはあまりいい噂がない。Xperia 1Ⅵでアスペクト比が変更されることを最初にリークしたZackbuks氏によると今年Xperia 5シリーズは存在しないことに言及しています。

今回はXperia 5Ⅵが出ることなくXperia 5シリーズが終了した可能性がある原因について主観的にまとめたいと思います。

採算性がない市場に。

2019年頃までは本体の縦幅が150mm以下の機種が毎年のように発表されており、今や「コンパクトモデル」と呼ばれますが、その当時は一般的なサイズ感だった。

ただ5Gの開始以降内部コンポーネントの問題や大画面のニーズが一気に増えたことで今や絶滅危惧種となっています。その中でコンパクトモデルが今やほとんど存在しない理由の一つとして採算が取れる程のマーケット規模がないこと。

これはXiaomiのCEOも同様に言及しており、今後コンパクトモデルを出さないのかという質問に対して採算性が悪いことから出す予定はないと明言しています。

また2つ目の理由としてはスマホが年々高性能化しているということは開発費自体が肥大化した上に、今の標準サイズである6.0インチ台を基準にサプライヤーなどは開発/供給していることから、コンパクトモデルを作ろうとした場合に一部スペックが犠牲になること。

さらにコンパクトモデル用のコンポーネントを発注しようとなった場合にコストは増加する。結果コンパクトモデルを出そうとすると高価格化する可能性があります。

一方でコンパクトモデルのニーズが一定数あることに違いはないですが、「高くても欲しい」と思える人は超限定的。その結果メーカーからすれば出しても旨みが全くなくどんどん消極的になっている可能性があります。

Sonyにその余力はない。

一部情報によるとXperia 1Ⅵでアスペクト比が変更される理由としては4K+アスペクト比21:9という特注に近いディスプレイのコストが吸収しきれなくなったことが原因とも言われています。

それだけディスプレイ含めてコンポーネントのコストが年々増加している可能性があり、特にコストが高いディスプレイは致命的になりやすいのかも。一方でXperia 10Ⅵはアスペクト比21:9が継続される可能性が高いですが、これは逆にXperia 10Ⅴと共用にすることでコストカットしている可能性があります。

デザインを変更するのにもコストがかかるし、ディスプレイを強化するのにもコストがかかると板挟みの状態になっている可能性があり、Xperia 10シリーズも今後のディスプレイのコスト次第ではアスペクト比が変更される可能性。

SonyはSamsungのようにAppleに膨大な出荷台数を誇るわけではなく規模の経済の効果が薄い。またXperia 10シリーズはミドルレンジであるからまだしもXperia 5シリーズに関しては何かしら毎年進化させない。

少なくとも2023年モデルをみるとXperia 1Ⅴの良さをXperia 5Ⅴに踏襲することでコストカットしつつ進化させた感じですが、Xperia 5シリーズのサイズ感では限界だったのか結局Xperia 5Ⅴは前モデル対比で大型化しています。

このことを考えるとXperia 1Ⅵの良さをXperia 5Ⅵに踏襲させようとしてもサイズ感的に限界の可能性があり、Xperia 5Ⅵ用にコンポーネントを最適化しようとした場合はコストが爆増する可能性があり、結局開発費含めたコストカットのために廃止という流れになっているのかもしれません。

結局SHARPのAQUOS R9を見て思うのは弱小メーカーにとってハイエンドモデルの開発すら厳しいという感じで、その中でもニッチなニーズになるコンパクトモデルは全く余力がないという流れになっている可能性があります。

 

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