スマホ市場が飽和期に入っていることに加え、コロナ以降世界的なインフレなどからスマホの高価格化が進んでいる一方でユーザーがスマホに投資をしにくい状況になっています。
なので近年市場全体で売り上げは厳しい状況となっています。そして今回Counterpointが2024年の中国市場においてAppleは非常に苦戦していると報告しているのでまとめたいと思います。
2024年最初の6週間。
今回Counterpoint Researchが2024年最初の6週間の市場調査結果を公開していることが判明しました。前年対比した上でのシェアの推移をまとめると以下のようになります。
メーカー | 2023年 | 2024年 |
vivo | 19% | 18% |
Huawei | 9% | 17% |
Honor | 15% | 16% |
Apple | 19% | 16% |
Xiaomi | 14% | 14% |
Oppo | 17% | 13% |
昨年末にHuaweiはKirinチップを復活させHuawei Mate 60シリーズでは5Gにも対応。さらに中国政府がHuaweiの機種を購入する際に補助金を出しているとの話もあるのでシェアが一気に拡大していることを確認できます。
少なくともHuaweiの復活は中国市場での出荷台数増大に貢献しているとはいえ注意点としては出荷台数は前年対比で7%減少しています。なので合わせて前年対比の成長率を確認すると以下のようになります。
メーカー | 成長率 |
vivo | -15% |
Huawei | 64% |
Honor | 2% |
Apple | -24% |
Xiaomi | -7% |
Oppo | -29% |
成長率でみるとかなり厳し目の結果となっておりHonorとHuaweiくらいしか成長していません。また現状で見るとvivoとOppoに関してもかなり厳し目。ただこれは2024年が始まって最初の6週間の統計データなので今後数字は改善してくる可能性があります。
Appleが苦戦している理由。
iPhone 13シリーズの頃から中国市場で圧倒的な強さを見せてきたAppleですが2024年は大ブレーキから始まっています。このことに対してシニアアナリストのMengmeng Zhang氏が以下のようにコメントしています。
iPhone 15は素晴らしいデバイスですが、以前のバージョンからの大幅なアップグレードはないため、消費者は今のところ旧世代のiPhoneにしがみついていると感じています。
また中国政府は政府関係者や国家公務員などに対してApple製品の使用をセキュリティ上の懸念から禁止していると言われています。一方で中国政府はHuaweiに補助金を出すことでAppleからHuaweiへの買い替えを促進しているとの話。この流れは当面続くと思うのでAppleにとっては厳しい流れになる可能性があります。
何よりHuaweiのシェアが拡大すれば拡大するほどAppleにとって厳しい流れになり、Huaweiも今年からは上半期にHuawei P70シリーズで下半期にHuawei Mate 70シリーズと年に2回のフラッグシップ体制が復活すると言われています。
Googleは中国市場に進出しておらずSamsungのシェアは1%以下と言われている中国市場においてAppleの最大のライバルは当面Huaweiになりそうです。